反転攻勢のための経営計画の検討を!
〜経営計画を策定するために必要なこと〜

マーケティング本部 石川友博

反転攻勢のための経営計画の検討を!

景気が底を打つのではないかという議論が少しずつ出てきています。つまり、下がりっぱなしだった企業経営の諸条件に好転の兆しが出てきています。

この環境変化の時期、企業が採るべき行動の一つは経営計画を練り直すことです。反転攻勢のシナリオを具体化し、内外に示していくことが重要です。では経営計画を策定するためには何を行う必要があるのでしょうか?

戦略をはっきりさせる

経営計画とは、一定期間の経営をどのように行うかを具体的に示すものです。つまり戦略を実行計画に落としたものです。したがって、経営計画を策定するには、戦略、すなわち企業として目指す方向性や、経営資源の選択と集中をどのように行うのかを、あらかじめはっきりさせることが必要です。

戦略立案に不可欠な環境分析

戦略を立てるのに必要なのが、環境分析です。環境分析とは、自社の現状を分析し、見解を整理することです。細かくいえば、組織の意思決定は通常一人ではなく複数の話し合いで決まります。ですから環境分析は、意思決定に関わる人たちの自社の現状についての見解を一致させる作業ということが出来ます。したがって十分なコミュニケーションが必要です。

環境分析には、自社のおかれた状況を整理する外部環境分析と、競合他社と比べた場合の自社の特徴を整理する自社能力分析があります。外部環境分析では、自社のおかれた環境を分析して、自部門にとって追い風になること(機会)と、逆風になること(脅威)をできるだけ詳しく挙げていきます。自社能力分析では、自社と他社を比べて、自部門の強みと弱みをできるだけ詳しく挙げていきます。

この環境分析の話し合いを通じて、あるべき選択と集中の姿や、目指す方向性をだんだんと明確にして、最終的には合意していくのです。

今一度、経営理念と向き合ってみる

また、経営計画を策定する際には、経営理念の確認も必要です。経営理念とは、経営者の事業への思いや、経営に対する基本的な考え方や価値観、社会や社員に対するメッセージを明文化したものです。

経営計画を策定するということは、新たな方針を打ち出して、再度社員を鼓舞していくという作業です。大変なエネルギーや意志の力が経営者には必要です。ですから自分自身の気持ちや経営に対する考え方としっかり向き合って、確固たる意思を持っておくことが必要です。

そういう意味で、新しい経営計画を策定する際には、現時点での到達点をふまえて、今一度自分自身の気持ちを掘り下げて、経営理念と向き合うことが必要です。簡単に変更すべきものではありませんが、必要性があれば経営理念を変更することもあるでしょう。

経営計画を策定するために必要なこと 〜今、事前準備に着手すべき〜

以上のように、経営計画を策定する際には

  • 経営理念を確認する
  • 環境分析を行う
  • 戦略(目指す方向性や選択と集中の仕方)を決める
  • 幹部と十分なコミュニケーションを行う

この4つの事前準備が不可欠です。経営環境に変化の兆しが見える下期の計画を固めるため、今その事前準備に着手すべきです。準備段階でしっかり掘り下げた経営計画は、それだけ実行段階でのコミットメントも高くなります。ですからここで挙げた項目を抜かりなく行うことが重要です。

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